2018年　11月より、長年当店で励んでくれた福本君が店長に就任致します。

彼がイリュージョンに入店してくれたのは2011年。当店が中野逸品グランプリで優勝した際に大忙しになり、
アルバイト募集からの入店でした。
彼が学生の頃、カラオケ店でアルバイトしていた経験があったのですが、当店のオーダーを受けてから生絞りで作るカクテル「スプモーニ」を飲んでくれたとき、
カラオケ時代に作っていたものとは全然違う！と感動してくれ、そこからバーテンダーへの道へ歩み始めてくれました。

当時彼は錦糸町に住んでいたので、深夜のアルバイト終了後、仕事上がりにジントニック、ジンリッキーなど作りながら自ら飲み、イリュージョンでくつろぎながら始発まで待つ生活でした。
元来、人との付き合いに律儀な彼の人柄は、お客様からも「福ちゃん」と慕われ、徐々にお店に溶け込んでくれました。

そして彼自身、アルバイトではなくよりちゃんとしたバーテンダーになりたい、という気持ちも高まり、当店ではその時は社員としての空きがなかった為、退店することになりました。

福本君の退店日は、本当に多くのお客様に慕われていたんだなあ、と実感する盛大な一日だったことを今でも鮮明に焼き付いています。

その後彼は住まいから通える曳舟の名店「BAR　Bee」の山田さんの元で修行することになりました。
しかし諸事情により、バーテンダーを続けられなくなり、彼は昼の仕事に就かざるを得ない時期にさしかかりました。

相当へこんでいる時期に、彼の兄貴分、広瀬君も気にかけてくれ、イリュージョンにも飲みに来てくれるという時期がありました。

時を経て、彼も20代後半に差し掛かり、やはりもう一度なんとしてでもバーテンダーをやりたい、という気持ちが再燃し、私は相談に乗りました。

「その気持ちは嬉しい、だがやはりその前に私としては君がお世話になった山田さんに、ちゃんとご挨拶をしたい」

そうして、2015年2月、私は曳舟に降り立ちました。緊張と共にカウンターに座り、福本君のバーテンダーへもう一度戻りたい旨をお伝えしたところ、、、

　山田さんはとても懐の深いお方でした。

「またバーテンダーをやりたいとは嬉しいことですね」と。

ご一緒に山田さんのお好きなラフロイグで乾杯させて頂き、またアルバイトから福本君がイリュージョンへ復帰と相成りました。

2015年8月には10年間勤め上げてくれた広瀬君が卒業し、同時に9月から福本君が社員となりました。
当時の懐かしいブログはこちら

「初ブログ」
10月には武内君も入社し、林君と4人体制になります。

年齢も近い3人は互いに切磋琢磨して、お店を盛り立ててくれました。

2017年4月に林君が家庭の事情により一度福岡へ帰るため卒業し、福本君と武内君の3人体制になります。

その辺りからシガーへの造詣も深め、福本君ならではキャラクターも立っていき、私としても信頼が益々増してきました。

2018年には当店も14周年、15年目のスタートになり、福本君も30歳になっていました。

そこから今日まで、いよいよ私にとっても結晶である「Bar　ILLUSIONS」を任せる店長になる覚悟とイメージを共有してきました。

福本君に「どんなバーテンダーになりたい？」と質問した時があります。

彼は「自分がお客さん時代、なんかいろいろあった時もここに来たいと思いました。そんな風に人の気持ちに寄り添えるバーテンダーでありたい」と。

その言葉を聞いたとき私は即答しました、「もうその資質はあるよ」

　イリュージョンは街の酒場です。拠り所としての「安心感」をコンセプトにやってきました。

　もちろん、その中にのバーテンダーとしての本質、カクテルやウィスキー、洋酒全般の美味しさをご提供する前提はあります。

　福本君はイリュージョンのコンセプトを守ってくれ、更に福本君ならではの素敵なお店作りを歩んでくれると期待しております。

　そのような次第でこの11月から「福本店長」としてイリュージョンは成業して参ります。

　同時に、カクテル、料理のセンスが抜群の武内君も「武内技術部長」になりました。

　では下がいないではないか？となります。

　現在、当店では月、水、金　19：00~0：00まで5h　入って下さる、バーテンダーを募集しております。

　もちろん未経験者で大丈夫です。

　福本君がアルバイトから現在まで成長してくれたように、最初は何でも興味本位でも構わないので、
　当店でやってみたいという方を受け口広く募集しております。

　このブログをご覧になって下さった方の周りでどなたかいらしましたらお気軽に当店03-3384-7598までお電話下さいませ。

　Bar　ILLUSIONS　高橋　学